家屋を取り壊したら固定資産税はどうなる?

今回は、建物が古くなったりしてもう使用しなくなった場合などに、取り壊しを行った場合に固定資産税はどうなるかというお話しをしたいと思います。事例を挙げてお話ししたほうがイメージもしやすいかと思うますので、次のような事例を挙げさせていただきました。
H25年の1月10日に昭和30年頃に建てられた住宅を取り壊しました。この場合、H25年度の固定資産税はどうなるのでしょうか?1月中に取り壊しているので、そもそもH25年度にはこの家屋はほとんど存在していないことになります。それでもH25年度の固定資産税は1年分まるまる発生するのかと疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
結論からいいますと、この家屋に対して、H25年度の固定資産税は1年分まるまる発生することになります。なぜか?固定資産税について定めている地方税の規定には、賦課期日(その年の1月1日)に登記簿謄本に所有者として載っている人に固定資産税は課税されることになっています。ということは、今回の事例でいいますと住宅を取り壊したのが、1月10日になりますから、その年の1月1日現在にはまだその住宅は登記簿謄本に掲載されていたことになります。ですので、H25年度の固定資産税には取り壊した住宅についても課税されることになるのです。しかも、固定資産税には月割りという考え方がないのでまるまる1年分課税されることになります。こういった1月10日って微妙な時期ですよね。どうしてもH25年度の固定資産税を払いたくなかったのであれば、せめて年が明ける前の12月中に取り壊しておくべきだったのではないでしょうか。
ですか、これもケースバイケースなんですよね。取り壊す家屋の種類にもよってくるのですが。たとえば、事務所とか事業用の倉庫など、土地の軽減に関係のない家屋でしたら、12月に取り壊しておけば、H25年度の固定資産税がその家屋に関して発生しないのでもちろんお得といいますか、払わなくていいのですが、住宅が建っている土地には固定資産税の軽減が適用されているのです。どういうことかいいますと、住宅が建っているから、その土地の固定資産税の額はこれまでの税額になっているのですが、住宅が取り壊されることによって、その土地に対する固定資産税の軽減がはずされることになってしまうのです。もう一度いいますと、12月に取り壊した場合は、H25年度の住宅に対しる固定資産税はもちろん発生しませんが、住宅がないことで土地についての固定資産税の軽減がはずれてしまうのです。
これは超ポイントになりますよ。住宅を取り壊すってことはほとんどの場合は築何十年もたっているので固定資産税の税額でいうとほとんどいくらでもない場合が多いのです。しかし、土地の固定資産税の額というのは、土地はいくら年数が経過したからといって固定資産税の額が下がるという単純なものではないの、やはりそれなりに高いのです。ですので、住宅の建て替えや、土地の有効活用のために住宅を取り壊すのでしたらいいというか、仕方がないのですが、そうでなく、ただ古くなったから住宅を取り壊すとなると土地の固定資産税の額が一気に上がることになります。
ちょっとじゃなく、一気です。住宅が存在することで1/3(200㎡以下ではなんと1/6)も軽減されているのですから。ですので、年をまたぐかまたがないかの次期に住宅を取り壊す予定のある方は、建物の固定資産税のことだけでばく、土地の固定資産税についても考慮に入れたほうがいいでしょう。