家屋の評価額が下がらないのはなぜ?

今回は、家屋の老朽化に伴う固定資産税の評価額の下落についてのお話しをしたいと思います。家屋というのは土地と異なり、年々老朽化していきます。だとすると家屋の評価額も下がるのが当然だという認識を持たれる方も多いのかと思います。では、実際はどうなのでしょうか。ここからは事例を踏まえてお話ししたいと思います。
私のマンションは昭和47年に建築されました。このマンションは当然ながら年々老朽化していきます。しか~し!このマンションの固定資産税の評価額が下がっていないじゃないですか!?
一体、なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか。それでは、解説していきたいと思います。
家屋の評価額がどのようにして求められるのかといいますと、評価の対象になります家屋と同じものを評価替えの時点において、その場所に新築するものとした場合に必要となります建築費(いわゆる再建築価格と言われるものです)に、家屋が建築された後からの経過年数によって通常生ずることになる損耗の状況による価値の減少(減価)などをあらわしている経年減点補正率を掛けて求められるのです。わかりづらいかと思うので、申し訳ないですが、もう一度お読みなることをおすすめします。税金の計算方法を説明しようとするとどうしても複雑になってしまって、わかりづらくて申し訳ないです。
ここで、ポイントになるのが、価値の減少(減価)などをあらわしている経年減点補正率を掛けるということは基本的には家屋の評価はやはり年数が経過することによって下がるってことになります。減価ですからね。ところが、物価上昇率などによって建築費が上がってしまうという事態が生じるのです。ただし、評価額が前年度の額を超えてしまうような場合には、通常は前年度の評価額を据え置くことになっています。ということは、固定資産税の評価額は前年度より低くなるか、もしくは同じになるということですね。なるほどだと思いませんか?なぜ、下がらないのっていうことではないのですね。本来であれば上がるべきものが、税負担の考慮なのでしょうか、据え置きになるということなんですね。
これまでも、建築年の古い家屋の中には、建築費の上昇が続いたこともあって、評価額が据え置かれていたこともあったということです。経年減点補正率を掛けても、建築費の上昇には及ばなかったということなんですね。謎が解けてすっきりできましたか?